海外駐在をするにあたって、事前の注意点や心構えを紹介されることがあります。
よく言われるものの1つに、『駐在先では日本人の同僚とばかり行動を共にするのはやめましょう』があります。
これは本当なのでしょうか?
アメリカに駐在していた経験も踏まえて、考えてみたいと思います。
まず、駐在先で日本人の同僚とばかりいるべきではないと言われる3つのデメリットをご紹介します。
①現地スタッフとの溝が生まれる
現地のナショナルスタッフからしてみれば、日本本社の人間は王様のようなものです。
何か失礼なことをすると、人事経由でクビになるのでは、と勘繰る人だっています。
自分が外資系の企業に勤めた場合を考えてみてください。海外の本社から外国人が来社したとき緊張しますよね、それと同じなんです。
もちろん、昨今はグローカルと言われる時代で、日本本社のプレゼンスが低下している企業も多いため、そこまで崇められているかは疑問です。
しかし、依然として特別な存在ではあります。
そんな特別な存在として、日本本社からの駐在員は、現地のナショナルスタッフと共に仕事をしていかなければなりません。
友好な関係を築いていかなかればならないのです。
そのような立場の駐在者が、日本人の同僚と常に一緒にいるとなると、現地のナショナルスタッフはどう思うでしょうか。
当然距離は縮まりませんよね。
それどころか、あの駐在者は、我々と歩み寄る気がないと思われかねません。

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②現地情報のアップデートがされづらくなる
海外駐在者の仕事のメインは、海外の事業拠点と日本の本社とのつなぎにあります。
このミッションを遂行するためには、現地での情報収集がかかせません。
営業であろうが、製造であろうが、マーケティングであろうが、現地のことを詳しく知っているのは、ナショナルスタッフです。
彼らと過ごす時間を増やし、信頼関係を深めることで、現場の情報をタイムリーに吸い上げることが可能になるのです。
しかし、他の日本人駐在員との関係を気にし過ぎてしまうと、この情報収集がうまくいかなくなります。
例えば、ランチも日本人との付き合いを優先してしまい、ナショナルスタッフと過ごす時間を取れなくなったりします。

③新たな価値観を吸収できない
海外駐在は新たな価値観に出会えるチャンス
私自身がアメリカに駐在して感じたことがあります。
海外で過ごすことで価値観が大きく変わると言うことです。
アメリカ人の物の考え方や社会システムは日本とは異なる部分が多く、とても刺激的なものでした。
例えば、新型コロナウイルスが蔓延し始めた2020年よりも前から、テレワークが大変浸透しており、ワークライフバランスが保たれていること、
終身雇用ではない分、頑張り次第でいつでもキャリアチェンジやステップアップができる環境が整っていること等が挙げられます。
このように異なる社会や文化に触れているうちに、自分の価値観や考え方も変わってくるんですよね。
今までの考え方がとても窮屈に思うようになりました。
日本人とばかりいては新たな価値観と出会えない
しかし、このように新たな価値観を十分に吸収できるかどうかも、海外の過ごし方によって大きく変わります。
例えば、現地の方とのコミュニケーションは必要最低限のものにとどめ、日本人の駐在員とばかり話をしていた人と、毎日5分でもその国の人と話をした人とでは、吸収する価値観や考え方の量が大きく異なるはずです。
また、新しい価値観に触れたと思った時に、なぜ刺激を感じたのかについて、深堀りをしてみることも大切です。
今までの自分の考え方との比較が可能になり、成長を実感できるんですよね。
海外において常に自国の人とばかり話していると、結局今までと同じものの考え方しかできず、成長の機会を逃してしまいます。

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結論
以上より、『駐在先では日本人の同僚とばかり行動を共にするのはやめましょう』は正しいです。
可能な限り実践すべきだと思います。
しかし、そうは言っても、最後に頼りになるのは、やはり日本人です。
また、駐在員として仕事をしていく中でも、日本人駐在員間では十分なコミュニケーションを取る必要があります。
この辺りのバランスが大変難しく、時にストレスフルになるのも海外駐在あるあるです。
ですが、海外駐在は、誰もが経験できるものではない、大変貴重な機会です。
人間関係一つでもでもしっかりと意志を持って、仕事もプライベートも充実した、後悔のない海外ライフを送りましょう。
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